プリントパックと東京カラー印刷、その特性を考える

うさくま堂では、印刷は主にプリントパックにお願いしていますが、最近セルフマガジンを東京カラー印刷にお願いすることが多々ありました。

※色はいろいろ。印刷も1,000枚刷ったら最初と最後では色が結構違うんですよ!

大手印刷通販2社、何がどう違うのか

全ての印刷通販を試した訳ではありませんが、この2社がうさくま堂にとっては利用しやすく、コストも他より安いです。また、東京カラーは東京に本社があるだけに、印刷会社勤務時に外注先として色校正をお願いしていたこともあり馴染みがありますね。

提供できるサービスや価格帯は殆ど同じです。キャンペーンで若干差はありますが。

印刷の特徴に関して/発注者向け

プリントパック

画像において、シアン(青)が強く、ややくすみがちの仕上がりになります。そのため、あらかじめ印刷に使用する写真は、明るめにレタッチする必要があります。
レタッチはあまり多いと不自然になるため、明るく柔らかい色合いを生かしたい場合は不向きかもしれません。密度の高い色の表現や、写真よりもイラストやグラフィックで見せたい場合に有効です。

東京カラー印刷

仕上がりが全体的にクリア。青みのつよい色ベタや写真も、きれいに見せてくれます。写真の暗みやくすみもなく、鮮明に印刷されています。柔らかい表現が得意でしょう。
色ベタをしっかり見せたい、濃厚な表現をしたい時は、印刷が浅く感じられます。その場合は、色全体の濃度をあげる等の加工が必要です。

左が東京カラー印刷で納品されたもの。右はプリントパックで昨年印刷したものです。

注文に関して…デザイン/制作者向け

ネット注文のしやすさはプリントパック

サイトのアクセシビリティはとてもよく、Illustratorのデータであれば自動でチェックができます(画像リンク、フォントのアウトライン、サイズ、塗り足し他)。
対して、東京カラーの場合は、ここで間違いがあった時の連絡が遅く、作り直すと1日分余計な時間または費用が発生します。サイトのデザインも古く、全体的に見にくいです。

万一の時のフォローは東京カラー

プリントパックの会社規模の問題かもしれませんが、問い合わせ電話が1時間以上つながらず、サーバーも落ちやすく、ページものの入稿は何度試みてもエラーで送れない場合が多々あります。
対して、東京カラーはそのあたりの反応はよく、メールでの質問も回答が早いです。入稿データの送信も、これまで数回セルフマガジンを送りましたが、一度もエラーなく円滑に進行できました。

データ作成の完全性はプリントパックのほうが優しい

Illustratorで入稿データを作る時、東京カラー(他社も?)は透明処理(ぼかし含む)全てに「ラスタライズ処理(ベクトルデータをビットマップ化→線の情報を点の集合体)」が必要です。複雑なパスもラスタライズ処理が好まれます。
また、ページ物を入稿する際に、東京カラーは見開きのままでは入稿できず、面付(左ページ2ページならば、次は3ページではなく裏表紙の次のページ)しなければなりません。
慣れてしまえば指示通りに行えばよいのですが、慣れないと時間がかかり間違いやデータ不備になりやすい作業です。
これらの作業が、プリントパックでの入稿では不要。Illustratorの透明やぼかしを使ったまま、ページ物でも見開きのまま入稿できます。
また、チェックも早いため、万一不備があってもすぐに直せます。

何を基準に選べば良いのか

いくつかの印刷会社を利用して判断したいところですが、どうしても価格優先になってしまうと選択肢は狭くなってしまいます。とはいえ、印刷通販のクオリティーは、こちらで比較した2社をはじめ他社においてもクオリティーは高くなっているように思います。

納期や価格に合わせて、制作側でミスを引き起こさない作業ができる会社を選びながら、その印刷特性をお客様に提案したり、発注者であれば制作者/デザイナーに相談したり、自分で作る時の参考にしてみてください。


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