ネットワークビジネス運営会社の派遣社員(デザイナー職)の回顧録
2017年1月の投稿「ネットワークビジネスで本当に得するのは誰かが分かると断る勇気も生まれる話」へのアクセスが、ここ数日増えておりますが…
取り立て新しい情報ではない
とのご意見頂戴しましたが、私がディストリビューターと思われているところもあり、少し違った視点で「ネットワークビジネス」に関して書いてみよう思います。
ビジネスモデルそのものの賛否に関しては、議論しませんのであしからず。
※労働環境的にはサイコーだったのはネットワークビジネスの会社だったなぁ
うさくま堂の経歴は主に制作会社や印刷会社だが…
プロフィールではざっくりとしか触れていませんが、建築関係や家具の工場での仕事は2年足らずでの倒産を経験しました。バイク仲間がDTP専門派遣社員だったことから、DTPソフトの使い方を覚えて、化粧品メーカーへ派遣。その後は、化粧品メーカーの契約社員、デザイン制作会社を転々とし、最後は4年間印刷会社でデザイナーの仕事してました。
その…「転々と」の中には、ネットワークビジネスを運営している企業へ、派遣会社を通じてデザイナーとして派遣されたこともあります。
期間にして約1年半。
振り返ると、いちばん人間的な生活ができ、仕事内容も比較的専門的で、バランスのよい状態だったかと思います。
外資系ネットワークビジネスの会社ってどんなところ?
私が派遣された会社は、海外に本社がある化粧品・健康食品等を中心に取り扱う「ネットワークビジネス」の運営会社で、都内のきれいなオフィスビルに通勤していました。
オフィス自体は一般的な企業と変わりません。社食はありませんが広くてきれいな休憩室があり、コーヒーサーバーもありました。それ以外の福利厚生も充実しているようで、社食がない変わりに昼食代が補助され、食券(バウチャー社のもの)が支給されているようです。
ケータリングを囲んでの交流会は、2ヶ月に1回くらいありました。社長のお話(英語)のあとで、ワイン片手に談笑…みたいなのです。
社員の給与はわかりませんが、私の時給は1700円。デザイナーの時給としては、リーマンショック前の当時はいいほうでしたね。
派遣なのでほぼ定時。イベント前は休日出勤やタクシーで帰ったこともありましたが、それは本当にイレギュラーなこと。ほぼない…と言っていいでしょう。でも、社員の人も同じです。休日出勤や残業は、デザイナー職の方でも本当に少ないです。
18時19時になると人はほとんどいなくなり、21時には誰もいなくなります。また、残業や休日出勤があった場合は、その分の手当は支給されているようです。
こんな感じの外資系ネットワークビジネス会社での様子。ただ、外資系化粧品メーカーも似たような感じでしたので、もしかしたらネットワークビジネスというよりも、外資系だからこその特徴なのかもしれません。
制作会社や印刷会社はどうだったのか
いくつか在籍したのですが、やはり残業や休日出勤は当たり前。当然手当は出ません。
月収30万でも、ひどいところだとボーナス出なかったり。
いちばんひどいところでは、半年の間に会社を休んだのは10日ほど。終電で帰宅するのはザラで、それでも10時より遅刻すると叱責は半端ないです。
さらに撮影が始まると、1週間ほど社内スタジオに泊まり込み。風呂も面倒で入ってなかったですね(笑)
当時は48kgあった体重が、半年後は34kg。生理は止まって肌も髪もパサパサ。結婚さえ思い描いていた彼氏とも別れましたし、実家暮らしでなかったら…自分は生きていなかったかもしれません。
結局は1年も続かずに、体調不良で退職しました。
こんな経験もしたからこそ、ネットワークビジネス会社での1年半は、もう天国のようでした。
社員デザイナーの信頼を得て、社員への紹介をしてもらったものの、会社そのものがその後大きく傾き、100名以上をリストラ。派遣社員の大半は契約終了となりました。
そのあとすぐ、最後の職場である印刷会社へ就職しました。今思えば、その印刷会社はいい会社だったと思えますが、当時はやはり残業が多く厳しかったことと、直属の上司からのパワハラ・セクハラは今でも許せません。
どちらがよかったのか?
果たしてどちらがよかったのか。
今となっては、40歳で結婚して子どもも無事に授かり、フリーランスとして細々とですが活動をしながら、毎日楽しく暮らしているので、正直どっちでもいいです。
ただ、体力と精神力の限界まで仕事をしたことで得たものも多いです。ものを作る現場の厳しさや、細かくこだわるべきところ、クライアントさんの要望を汲み取るということは何かを学び、今のうさくま堂に反映させています。
印刷会社でのセクハラやパワハラを受けたことでさえも、本当の意味でのコミュニケーションとは何かを考え抜く、いいきっかけとなりました。なによりここで得た技術と考え方は、そのまま今の私をささせているものだと思っています。
ただ、いづれにせよ自暴自棄にならず、この仕事を辞めずに続けることができて、よかったなと思えるようにしたいものです。
とはいえ、人間らしい生き方ができた、余計な心配せず毎日楽しく仕事ができたのは、やはりネットワークビジネス会社にいた頃です。
このビジネスの良し悪しは別として、やはり人を人と思わないデザイン制作業界・印刷業界よりも、働く人を大事にしているネットワークビジネス会社を全面的に否定したくはありません。
それでもやっぱり、ネットワークビジネスはクソクラエ!!!堂々と行えないビジネスや、不要なものの買い込み、人を欺くようなネットワークは壊れて欲しいと願っています。
ネットワークビジネス、そんなのはねぇ…結局は一部トップレベルのディストリビューターと、運営会社が儲かるためのことだからね!