成果報酬で広告デザインの仕事をして報酬をもらえなかったら

そのチラシの効果が本当にあったのかを調べる手段は、「売上アップのコツは企画とチラシデザインの関係の把握から」に詳しく書きましたが、回数を重ねてお客様から聞き取り(ヒアリング)して、企画自体をしっかり目的が明確なものにすることが大切です。

しかし、それは手間や時間・コストがかかります。

成果報酬を採用する企業とデザインの仕事で取引(雇用、請負)する場合、トラブルに発展することがあります。

成果報酬のワナと泣き寝入りの仕事

業務請負をしていた時は、月に10本以上のチラシのディレクション・制作をこなしていました。制作自体はデザインの一部を変更するものですが、差別化させるためにビジュアルを変え、なかなか決まらない日程や詳細をとりまとめ、毎回ギリギリなタイミングで入稿という仕事。

それを月10本以上。

でも、そのチラシからの反応がどれだけあったかわからない、あっても少ないので報酬はなし。

現在のうさくま堂の料金表に換算したら、少なくても15万は請求できたのですが、成果報酬なんて「成果はない」と一方的に言われてしまえば、泣き寝入り。

「あなたがデザインしたチラシが起因でお客様が来たという根拠を出せないなら報酬は支払えない」

テストするために1案件に対してチラシを複数作ることや、アンケートをきちんと取ることを提案しても、費用が増えた分は私の報酬から引かれてしまっては意味がありません。

労働監督基準署の反応

当時仙台に住んでいたので、宮城野区にある「仙台労働監督基準署」へ行き、諸々の相談を受けたことがありました。

結果は会社の言いなり感がありました。なにせ関東にある会社でオンラインで仕事を受注していましたから。一言でいえば「あきらめなさい」と言った感じでしたから、もう殆ど記憶にありません。

しかし東京へ戻ってきたことで、会社との地理的な距離も近くなりました。

そもそもな話、その売り上げがチラシの効果なのか、チラシを配った人の声かけの効果なのか、判断する術がないにも関わらず、成果報酬を掲げて「わからない」と言いだして報酬を支払わないのは詐欺なんじゃないのかと。

もう過去のことで思い出したくもない反面、2度と自分が繰り返さないよう・2度と同じ立場に遭う人を増やさないよう、再度の相談をしてみようという思いも湧いています。

うさくま堂のキャンセルポリシー

本来ならば効果の出せなかったチラシにお金をいただけないとの思いもありますが、通常言われる反応率を明確に出せないこともあり、効果に対しての保証は行っておりません。

しかし、打ち合わせ中やPDFによるデザインアップでのやりとり(最初のデザインを出した段階)により、うさくま堂デザインでは力不足でお役に立てないと判断した場合は、制作中止を素直に申し出ています。

また、キャンセルポリシーを設けており

  • 打ち合わせ後、この書類の発行後~初回PDFアップ前:お見積金額の30%
  • 初回PDFアップ後~入稿前:お見積金額の50%
  • 入稿後(webの場合は納品後):お見積金額の100%

をしています。それに同意されたお客様に対してのみ、制作を進めております。

おかげさまで殆どキャンセルはありません。

また、キャンセルをご希望のお客様にも、打ち合わせから最初のデザインアップまでに、相当数の時間と労力をうさくま堂は使っており、印刷物を売っているのではなくデザインに落とす思考を提供していることをご理解いただけています。

このような考え方ができるのは、業務請負での失敗があってこそ。金銭トラブルは避けたいものですね。