チラシや名刺のデザインは余白とあしらいがコツ
余白は大事というけれど、計算して開けた余白は美しいが、入れる要素がなくて空いてしまった余白は美しくありません。
デザイナーの仕事は、計算した余白を作り「あしらう」ことです。
その理由を図説します。
基本は「見出し(リード)」「本文」「写真・イラスト」の間に余白
パッと目に入るように見出しがあり、読みやすいように本文があり、関連する写真やイラストがある…これらがスッと目に入るようにするために、余白を作ります。
余白Aにより本文と見出しは分けられ、余白Bにより見出し単位での「かたまり」が生まれるのです。
更に見出しと本文はセットですので、その余白は次のブロックよりも小さく、余白の量でもメリハリをつけて目線を誘導します。余白A<余白Bとなるのです。
これが余白を作る上での基本となります。
計算されない余白は作らない
上記の例の余白は、目的があってつくられたもの。目的のない・意味のない余白は極力作らないように心がけましょう。
特に、チラシやポスターのほか、バナーの見せ方にも当てはまります。
左の例だと何か目的があって開けた訳ではないので「空いちゃった」感じ。余白ではなく無駄なスペースは、その広告全体に対して「余裕」ではなく「スカスカした」印象を与えてしまいます。
それよりも、文字配列やバランスを考慮し、デザイン処理を考えながら、紙面いっぱいに入れたほうがキャッチーに目にとまります。
写真を入れるスペースが増えたので、インパクトも大きくなるでしょう。
特に「食べ放題キャンペーン」なんて企画であれば、お得感も演出したいもの。
ですから、そんな時はうまく余白を使って、パーツをキッチリと入れ込んでいきましょう。
ゆったりとした印象をもたせたい時も、あえて余白はつくらない
デザインのコツとして余白をたっぷり取ってゆったりと見せたい…そんな時もありますが、あえて余白は作らずにゆったりとした演出もあります。
適度な余白とバランスのよい文字のメリハリでも、あえてそのメリハリを抑えて余白を作り、その余白を別の要素で「あしらい」埋めていきます。
「あしらい」を含めたかたまりで、さらにメリハリがついて、その部分が際立ちます。
だけど、文字だけ大きい訳ではないので、どこかゆとりも生まれる…そんなデザイン処理と考えていきましょう。
クライアントさんは無理難題を言われることもあります。
ですが、その想いをできる限りデザインの力で形にし、目的が達成できるようにしたいものです。なぜなら、デザインはデザイナーのアート作品ではないから。
それでも明らかに目的が達成できないと判断した時は、そのクライアントさんの要望を上回るクオリティーのものを提案しましょう。
あれこれと修正指示が変わってしまうのは本末転倒ですが、想いをカタチにするためにはデザイナーへは遠慮なく言ってしまうこと、そしてデザイナーはそれをうまく汲み取ることが、目的達成できるチラシや名刺が早く完成するコツではないでしょうか。
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・この記事を書いた竹村由佳ってどんな人?
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