デザインは引き算なんてバカのひとつ覚え
いろいろなデザイン論やデザインに関する考察を語る時、猫も杓子も「デザインは引き算」なんてドヤ顔で語っているのは何ですかね。
バカのひとつ覚え?!
シンプルでカッコ良くても伝わるのは…
必要なものだけをシンプルに。引き算の考え方は確かに重要だと、うさくま堂は思っています。
それに関しては「看板が伝えるべきたったひとつのコツとデザイン」で書いている通り。
ですが、闇雲にシンプルでクール・かっこいい・洗練されたものを作って通用するのは…
- ブランディングをしっかりと確立し、それが支持されている
- 大手企業や著名人が展開し、認知度が圧倒的に高い
- 企画、コピー、撮影、デザイン…時間とコストをしっかりと投資している
大概はどれかひとつということはなく、これらが網羅されることで成り立っています。
ですから、まだこれから売り出す商品や名前を知られていない企業で、予算も時間も必要なものすら削減していたら、シンプルでクールなものを目指しても、広く受け入れてもらうのは難しいでしょう。
化粧品のカタログ事例に見るブランディングの違い
シンプルでカッコよくがいいのか、伝えるべきことを伝えるのがいいのか…自宅送られてきた化粧品のカタログから、その違いを考察します。
デパートで取り扱うハイブランド化粧品:イメージ重視の季節限定商品カタログ
世界的に有名なアパレルブランドが展開する化粧品。
その効果や商品説明は殆どなく、イメージだけで打ち出すもの。A3の二つ折りで、新聞のように針で綴じない製本です。優しい色使いのスキンケアと、ビビッドな色味のメイクアップ。
特に何か具体的な打ち出しがあるわけではないのに、所有欲をそそります。
肝心な商品についてのことは、美容雑誌や美容サイト等の各種メディアも取り上げることでしょう。
国内中小企業の化粧品通販:お得感をだして情報をしっかり伝える
商品特性をしっかり伝え、何に効果がありどうなるかを説明。お客様の声も盛り込んでいます。金額も明記し、赤文字でお得感を表現しています。
先述のものとは全く逆で洗練されたオシャレ感はなく、ともするとゴチャゴチャとうるさい感じすらあります。
しかしながら、デパートではなくカタログで売っているため、先述のようなイメージ重視では購買には繋がらないのです。
反対に、高級感あるブランドイメージでデパートで販売している化粧品であれば、対面で説明ができる販売員・美容部員がいますから、ブランドイメージを損なうような安っぽさを感じさせるゴチャゴチャしたものではいけません。
このように、目的に合わせた表現が大切です。
うさくま堂でのデザイン事例
仙台市郊外にあるヨガスタジオ・シュリーヨーガ様のチラシデザインをいくつか行ってきました。
(参考:ヨガスタジオ・季節変わりがチャンス!入会キャンペーンチラシ)
そのチラシの一部にイベント告知の情報を入れるのですが、こんな感じに見せるとします。
文字にメリハリがあり、この状態でも十分かなと思います。でも、楽しいイベント感がもう少し欲しいですよね。ちょっと寂しくスカスカした感じ。
読ませたいところにしっかりと目が行くように色を加えたり、あしらいを加えたり、罫線を入れたり、背景を飾ったり…。もちろん、やりすぎてしまっては読みにくいのですが、むしろ読みやすさをアップしながらも華やかさも出しています。
引き算どころか足し算。シンプルに要素を削っていくだけではなく、読みやすくするために色をあえて加えたり、その目的に合わせた雰囲気作りのための飾りが入ったり、足し算も時には必要です。
参考:シュリーヨーガ利府スタジオ(宮城県利府町)
http://www.shriyoga.jp/
※2017年4月30日、宮城県利府町でのイベントです。お近くのかた、お時間があるかた、ヨガに興味があるかた…是非行ってみては如何でしょうか!